ボーナス(賞与)から引かれるお金はいくら?手取りの目安
「ボーナスの額面と振込額がこんなに違うの?」と驚いた方も多いはずです。賞与から引かれるのは健康保険・厚生年金・雇用保険・所得税(40〜64歳の方はさらに介護保険料)で、住民税は引かれません。このページでは、それぞれの計算の仕組みと、額面ボーナス別の手取り目安(概算)をまとめました。
最終更新:2026年6月12日
1. ボーナスから引かれるもの・引かれない住民税
賞与(ボーナス)の総支給額(額面)から差し引かれるのは、次のとおりです(介護保険料は40〜64歳の方のみ)。
| 項目 | 賞与から引かれる? | 本人負担の目安(2026年度) |
|---|---|---|
| 健康保険料 | 引かれる | 標準賞与額×約4.95%(全国平均・労使折半) |
| 介護保険料(40〜64歳のみ) | 引かれる | 標準賞与額×0.81%(協会けんぽ・労使折半) |
| 厚生年金保険料 | 引かれる | 標準賞与額×9.15%(労使折半) |
| 雇用保険料 | 引かれる | 賞与額面×0.5%(一般の事業) |
| 所得税(源泉徴収) | 引かれる | 前月給与と扶養人数で決まる率(後述) |
| 住民税 | 引かれない | — |
健康保険料率は加入先(協会けんぽ/健保組合)・都道府県で異なります。上の数値は協会けんぽの2026年度(令和8年度)全国平均9.90%・介護1.62%を労使折半した本人負担の目安です。
なぜ住民税はボーナスから引かれないのか
住民税は、前年(1〜12月)の所得をもとに1年分の税額が確定し、その年税額を6月から翌年5月までの12回に分けて毎月の給与から天引き(特別徴収)する仕組みです。月々の給与で年税額を払い切る方式のため、賞与は特別徴収の対象に含まれません。したがって賞与から引かれるのは社会保険料と所得税だけです。
2. 社会保険料の計算(標準賞与額)
賞与にかかる健康保険料・厚生年金保険料は、実際に支払われた賞与の総支給額(税引き前)から1,000円未満を切り捨てた額=「標準賞与額」に保険料率を掛けて計算します。事業主と本人が半分ずつ負担する(労使折半)ため、給与明細に出るのは料率の半分です。
- 厚生年金保険料率:18.3%(平成29年9月以降で固定)。労使折半なので本人負担は9.15%。
- 健康保険料率:加入先・都道府県により異なる。協会けんぽの2026年度全国平均は9.90%(本人約4.95%)。
- 介護保険料率:40〜64歳のみ。協会けんぽ2026年度は1.62%(本人約0.81%)。
- 雇用保険料:一般の事業で本人負担0.5%。こちらは標準賞与額ではなく賞与の総支給額に直接掛けます。
数値はいずれも2026年度(令和8年度)。健康保険料率は健保組合だと別料率です。最新値・実額は加入先で確認してください。
標準賞与額には上限があります
標準賞与額には次の上限があり、これを超える部分には保険料がかかりません。
| 保険 | 上限 |
|---|---|
| 健康保険 | 年度(4/1〜翌3/31)の累計で573万円 |
| 厚生年金保険 | 1か月あたり150万円 |
同じ月に2回以上賞与が支給されたときは合算して上限を判定します。多くの方には届かない金額ですが、高額賞与では頭打ちになります。
3. 賞与の所得税は「前月の給与」で決まる
賞与の所得税(源泉徴収)の特徴は、賞与の額そのものではなく、前月の給与で税率が決まる点です。国税庁の「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を使い、次の手順で計算します。
- 前月(賞与支給月の前の月)の給与から社会保険料等を差し引いた金額を求める。
- その金額と「扶養親族等の数」が交わる欄の「賞与の金額に乗ずべき率」を表から読む。
- (賞与の総支給額 − 賞与から引く社会保険料等)× その率 = 源泉徴収税額。
つまり所得税率を左右するのは「前月の給与(社会保険料控除後)」と「扶養親族等の数」の2つです。扶養親族が多いほど率は下がります。なお年末調整で1年分の所得税が精算されるため、賞与で引かれた所得税が多すぎ・少なすぎでも最終的に調整されます。
「扶養親族等の数」は源泉控除対象配偶者+控除対象扶養親族の合計(障害者・ひとり親などに当たる場合は加算)。令和8年分(2026年)は税額表・扶養親族等の数の算定方法が改正されているため、最新の表で確認してください。
4. 額面ボーナス別の手取り目安(概算)
下の表は、額面ボーナスからおおよそいくら引かれ、手取りがいくらになるかの概算の目安です。社会保険料は代表的な料率で試算し、所得税は前月給与・扶養人数で変わるため幅で示しています。
| 額面ボーナス | 社会保険料(本人・約14.6%) | 所得税の目安 | 手取りの目安 |
|---|---|---|---|
| 20万円 | 約29,000円 | 約4,000〜8,000円 | 約163,000〜167,000円 |
| 30万円 | 約43,000円 | 約7,000〜13,000円 | 約244,000〜250,000円 |
| 40万円 | 約58,000円 | 約9,000〜17,000円 | 約325,000〜333,000円 |
| 50万円 | 約73,000円 | 約12,000〜22,000円 | 約405,000〜415,000円 |
| 80万円 | 約116,000円 | 約25,000〜50,000円 | 約634,000〜659,000円 |
| 100万円 | 約146,000円 | 約35,000〜70,000円 | 約784,000〜819,000円 |
前提:協会けんぽ2026年度の代表値で試算。社会保険料の本人負担=健康保険約4.95%+厚生年金9.15%+雇用保険0.5%=合計約14.6%(40歳未満・介護保険料なし)。40〜64歳の方は介護保険(本人約0.81%)が加わり約15.4%になります。所得税は前月給与・扶養親族等の数で大きく変わるため幅で表示しています。1,000円未満の端数処理や都道府県・健保組合の料率差は反映していません。
子ども・子育て支援金(俗称「独身税」)は健康保険料に上乗せして徴収されるため、賞与からも健康保険料の一部として少額が引かれます。
5. 確認のポイント
- 賞与明細の「健康保険」「厚生年金」「雇用保険」「所得税」を確認しましょう(40〜64歳の方は「介護保険」も)。住民税の欄は賞与明細にはありません。
- 同じ額面でも、前月の給与が高い月の賞与は所得税率が上がることがあります。
- 40歳になった月から介護保険料が、65歳になると(給与天引きの介護保険料は)引かれなくなるなど、年齢で変わります。
- 正確な額は、加入する健康保険(協会けんぽ/健保組合)と勤務先の計算によります。