標準賞与額とは?ボーナスの社会保険料 計算機
ボーナス(賞与)からも、毎月の給与と同じように健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料(40〜64歳は介護保険料も)が天引きされます。その計算のもとになるのが、賞与額から1,000円未満を切り捨てた「標準賞与額」です。このページでは、賞与額を入れるだけで社会保険料の本人負担を概算できる計算機と、標準賞与額の仕組み・上限ルールをまとめました。所得税・住民税の扱いはボーナスから引かれるお金はいくら?で詳しく解説しています。
最終更新:2026年7月4日
賞与の社会保険料 計算機
| 項目 | 金額 |
|---|
標準賞与額とは
「標準賞与額」とは、実際に支払われた賞与の総支給額(税引き前)から1,000円未満を切り捨てた金額のことです。健康保険料・厚生年金保険料は、この標準賞与額に保険料率をかけて計算します。給与の場合は月給を一定の幅で区切った「標準報酬月額」を使いますが、賞与の場合は実額をそのまま(1,000円未満切捨てのみで)使う点が異なります。
標準賞与額 = 賞与の総支給額(税引き前)の1,000円未満を切り捨てた額
たとえば賞与が50万3,456円だった場合、1,000円未満の456円を切り捨てて、標準賞与額は50万3,000円になります。この50万3,000円に健康保険・厚生年金それぞれの料率をかけて、本人負担分の保険料を求めます。標準報酬月額の仕組みそのものは標準報酬月額表・全50等級の逆引きで確認できます。
なお雇用保険料だけは標準賞与額ではなく、切り捨て前の賞与総支給額に直接料率(本人0.5%)をかけて計算します。この点は健康保険・厚生年金と異なるので注意してください。
2つの上限ルール(健保573万円・厚年150万円)
標準賞与額には、健康保険(介護保険料・子ども子育て支援金を含む)と厚生年金保険でそれぞれ別の上限があります。上限を超えた部分には、その保険の保険料はかかりません。
| 保険 | 上限の単位 | 上限額 |
|---|---|---|
| 健康保険(+介護保険料・子ども子育て支援金) | 年度累計(4/1〜翌3/31) | 573万円 |
| 厚生年金保険 | 1回(同じ月に複数回支給された場合は合計) | 150万円 |
健康保険は「年度の累計」で573万円までなのに対し、厚生年金は「1回(同月合算)」で150万円までと、上限の数え方が異なります。たとえば夏と冬に賞与が出る一般的な会社員であれば、この上限に達することはほとんどありませんが、高額の賞与が出た場合は上限を超えた部分の保険料がかからず、その分手取りの目減りが緩やかになります。同じ月に賞与が2回以上支給された場合は合算して上限を判定します。
計算例(賞与50万円のケース)
賞与額面50万円(標準賞与額も50万円)の方が、ボーナスからいくら社会保険料を引かれるかの計算例です。健康保険料率は協会けんぽの2026年度全国平均9.90%、子ども子育て支援金は0.23%、いずれも労使折半、厚生年金は18.3%(本人9.15%)、雇用保険は本人0.5%として概算します。
| 項目 | 計算式 | 金額 |
|---|---|---|
| 健康保険料 | 50万円 × 9.90% ÷ 2 | 約24,750円 |
| 厚生年金保険料 | 50万円 × 9.15% | 約45,750円 |
| 子ども・子育て支援金 | 50万円 × 0.23% ÷ 2 | 約575円 |
| 雇用保険料 | 50万円 × 0.5% | 約2,500円 |
| 合計(35歳) | 約73,575円 |
この方が40〜64歳(介護保険第2号被保険者)の場合は、介護保険料(50万円 × 1.62% ÷ 2 = 約4,050円)が加わり、合計は約77,625円になります。実際にはこれに加えて所得税(源泉徴収)も引かれますが、所得税は前月給与により率が変わるためこの表には含めていません。所得税の計算方法はボーナスから引かれるお金はいくら?で解説しています。
健康保険料率は都道府県・加入先(協会けんぽ/健保組合)で異なります。上の例は全国平均料率での概算であり、実額は加入先の料率表でご確認ください。
ボーナスから引かれないもの・所得税の扱い
毎月の給与とボーナスで、天引きされる項目には違いがあります。まず住民税は賞与からは引かれません。住民税は前年の所得をもとに1年分の税額が確定し、6月から翌年5月までの給与から12回に分けて天引き(特別徴収)される仕組みのため、賞与は対象に含まれないからです。
一方、所得税(源泉徴収)はボーナスからも引かれます。ただし賞与の所得税は、賞与の額そのものではなく前月の給与(社会保険料控除後)の金額と扶養親族等の数から決まる税率表を使って計算します。年間の所得税額は年末調整で最終的に精算されるため、賞与で引かれた所得税が多すぎても少なすぎても、年末調整で調整されます。所得税の詳しい計算手順はボーナスから引かれるお金はいくら?、年末調整の全体像は年末調整とはをご覧ください。
まとめると、ボーナスから引かれるのは「健康保険・厚生年金・雇用保険(40〜64歳は介護保険)・所得税」で、「住民税」だけは引かれません。
よくある質問
- 賞与の社会保険料は、月給の社会保険料と料率が違うのですか?
- いいえ、健康保険・厚生年金・介護保険とも、料率自体は月給にかける料率と同じです。違うのは対象額の決め方で、月給は「標準報酬月額」(一定の幅で区切った等級)を使うのに対し、賞与は実際に支払われた額から1,000円未満を切り捨てた「標準賞与額」をそのまま使う点が異なります。
- 年4回以上賞与が支給される場合はどうなりますか?
- 一般に、年4回以上支給される賞与は社会保険上「賞与」ではなく毎月の「報酬」として扱われ、標準報酬月額の算定に含まれるとされています。該当しそうな場合は、勤務先の給与担当や加入する保険者にご確認ください。
- 退職する月に支給された賞与にも社会保険料はかかりますか?
- 一般に、資格喪失日(多くの場合は退職日の翌日)が属する月に支給された賞与は、社会保険料がかからない場合があるとされています。ただし退職のタイミングや資格喪失日の考え方によって扱いが変わるため、個別の判断は勤務先の給与担当や年金事務所・加入する健康保険にご確認ください。
- 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」(標準賞与額の考え方・厚生年金保険料率18.3%)
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「令和8年度の都道府県毎の保険料率」(健康保険料率・介護保険料率、労使折半)
- 全国健康保険協会「都道府県毎の保険料額表(令和8年度)」
- こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度」(支援金の負担の仕組み)