年末調整の還付金はいつ・いくら戻る?

年末調整の時期になると「還付金がある」と聞くものの、いつ・いくら戻ってくるのか分かりにくいものです。毎月の給与から天引きされている所得税は、実は概算にすぎません。年末に1年分の正確な税額を計算し直し、払いすぎていた分を精算するのが年末調整の還付金です。本記事では、還付金がいつ・どのようなしくみで戻るのか、金額が大きくなりやすい要因、確認方法までを一般的な解説として整理しました。

最終更新:2026年7月28日

1. 結論:還付金はいつ戻る?

年末調整の還付金がいつ戻るかについては、多くの会社でその年最後の給与(12月分)か、翌年1月分の給与に上乗せして精算されるのが一般的です。年末調整の事務作業には一定の日数がかかるため、給与の締め日・支払日や勤務先の処理スケジュールによって、12月中に反映される会社と、1月にずれ込む会社があります。正確な時期は勤務先によって異なるため、詳しくは給与担当にご確認ください。

還付金が反映されるタイミングの例(会社により異なる・一般論)
パターン内容
12月の給与で精算その年最後の給与に、年末調整による還付・追徴の金額を含めて支給
翌年1月の給与で精算年末調整の事務処理が年明けにずれ込み、1月分の給与で精算されることもある

還付される場合、給与明細の中に「年末調整還付」「年末調整過不足額」などの名称で、通常の給与とは別の欄に金額が記載されることが多いです。逆に不足があれば「年末調整不足額」のような欄で追加徴収されます。給与明細のどの欄に何が載るかは給与明細の見方で解説しています。

年末調整全体の流れ(対象になる人・必要な申告書など)は年末調整とは?で解説しています。

2. なぜ戻る?年末調整のしくみ

毎月の給与から天引きされている所得税は、「源泉徴収税額表」にもとづく概算の前払いです。その月の給与額や扶養親族の数だけを見て機械的に決まる金額で、生命保険料控除やiDeCoの掛金控除など、年末にならないと確定しない情報は反映されていません。

そこで年末になると、勤め先が1年分の給与総額と、実際に申告された各種控除をもとに正しい年税額を計算し直します。この確定した年税額と、毎月天引きしてきた概算額の合計を比べて、差額を精算するのが年末調整です。

還付・追徴が起きるしくみ(計算のイメージ)
算式結果
毎月の概算徴収額の合計 − 1年分の確定所得税額 = プラスの差額還付(払いすぎていた分が戻る)
毎月の概算徴収額の合計 − 1年分の確定所得税額 = マイナスの差額追徴(不足していた分が追加で引かれる)

源泉徴収票の「源泉徴収税額」欄には、この計算し直した後の1年分の確定額が記載されます。見方は源泉徴収票の見方で解説しています。

3. いくら戻る?返ってくる金額が決まる要因

年末調整でいくら戻るか(あるいは追徴されるか)は、収入・扶養状況・申告した控除の内容によって一人ひとり異なります。個々の金額を正確に出すには本人の収入や控除の詳細な情報が必要になるため、本ページでは個別の金額試算は行っておりません。ここでは、還付が大きくなりやすい・追徴になりやすい典型的な要因を一般論として整理します。

還付・追徴の金額に影響しやすい要因の例(一般論)
傾向起こりやすいケースの例
還付が大きくなりやすい年の途中で扶養家族が増えた/生命保険料控除・地震保険料控除を新たに申告した/iDeCo(小規模企業共済等掛金控除)に加入している/年の途中に入社し、前職分の給与・源泉徴収税額と合算して年末調整した
追徴になりやすい年の途中で扶養家族が減った(子の就職・配偶者の収入増など)/賞与が想定より多く、年間の概算徴収額を確定税額が上回った/配偶者控除・配偶者特別控除の適用が縮小した

上記はあくまで一般的に見られる傾向の例です。実際に還付・追徴のどちらになるか、その金額がいくらになるかは、収入や扶養親族の数、申告した控除の内容によって異なります。

4. 還付額の確認方法

実際に還付されたか追徴されたか、その金額はいくらだったかを確認するには、次の2つを見るのが基本です。

還付・追徴額を確認する方法
確認先見るポイント
12月・1月の給与明細「年末調整還付」「年末調整過不足額」などの欄に、還付(プラス)または追徴(マイナス)の金額が記載されます。欄の名称は勤務先の給与システムによって異なります
源泉徴収票の「源泉徴収税額」1年間に納めた所得税の確定額です。毎月の給与明細に記載された所得税(源泉徴収額)の合計と比べると、還付・追徴された金額のおおよその見当がつきます

源泉徴収票の各項目の見方は源泉徴収票の見方で解説しています。また、年末調整の結果に納得がいかない場合や、そもそも年末調整の対象外だった場合でも、確定申告によって1年分の所得税をあらためて計算し直し、戻りすぎ・不足を精算できます(一般論であり、具体的な要否はご自身の状況によります)。

5. 年末調整で戻らないもの

年末調整はあくまで所得税の精算であり、次のようなものは年末調整では戻りません。

年末調整では精算されないものの例
項目理由・対応
住民税住民税は前年の所得をもとに翌年度に課税される後払いの税金のため、12月の年末調整でその場で還付・追徴されることはありません。年末調整で確定した所得・控除の情報は、翌年6月から始まる住民税に反映されます
ふるさと納税(ワンストップ特例を使わない場合)ワンストップ特例を申請していない場合や、寄附した自治体数が6以上になった場合などは、年末調整では扱えず確定申告が必要です
医療費控除年末調整の対象外の控除で、適用を受けるには確定申告が必要です

住民税が後払いになるしくみは住民税決定通知書の見方、ふるさと納税と確定申告の使い分けはふるさと納税と住民税で解説しています。

6. よくある質問

Q. 還付金が少ない年、まったくない年があるのはなぜですか?
A. 毎月の源泉徴収額が実際の年税額に近かった場合、精算する差額が小さくなり、還付が少ない、またはゼロになることがあります。これは損をしているわけではなく、毎月の概算徴収がもともと正確に近かったことを意味します。

Q. 12月の給与が多いのは年末調整の還付のせいですか?
A. 12月に賞与の支給がない会社であれば、その可能性は高いといえます。ただし基本給の見直しやほかの手当が影響している場合もあるため、実際の内訳は給与明細の各欄で確認してください。

Q. 還付金を受け取るための申告はいつまでにすればよいですか?
A. 年末調整に必要な申告書(扶養控除等申告書・保険料控除申告書など)の提出期限は、勤務先が定める日(多くは11月〜12月上旬)です。期限に間に合わなかった場合や年末調整の対象外だった場合でも、翌年の確定申告期間に自分で申告すれば精算できます(一般論であり、具体的な期限は勤務先や税務署の案内でご確認ください)。

ご注意:本記事は年末調整の還付金のしくみに関する一般的な解説であり、記載の要因・傾向はすべて代表例です。実際に還付されるか追徴になるか、またその金額は、収入・扶養状況・申告した控除の内容、勤務先の処理によって一人ひとり異なり、本ページでは個別の金額試算は行っておりません。具体的な金額や該当の判断は、給与明細・源泉徴収票の記載内容、勤務先の給与担当・国税庁の案内・所轄の税務署でご確認ください。当サイトは個別の税務・社会保険のご相談にはお答えできません(運営者情報参照)。